再受験の思い出

3/6から国公立大学の合格発表が始まった。先日は、ラグビー日本代表の福岡選手が医学部再受験合格を果たされたニュースもあったが、自分も国公立大学受験、再受験経験者であるから、この季節になると自分の経験を懐かしく思い返してしまう。試験を終えてから合格発表までの不安、合格をもらったときの安堵と喜びは、今でもリアルに思い起こされる。

思えばこれまでの人生で最大の決断だった。音大から医学部へ再受験しようと決断したのは、大学4年生になる直前だった。音楽の勉強を今後も続けたい気持ちはあったが、音楽家になることへの違和感もあった。ただ、そう簡単に「再受験します!」と言っても、うまくいく保証はない。卒業後の身の振り方を真剣に悩みだしてから、決断には1か月以上かかった。

決断してから大学と並行して、数学と英語の復習から始めた。丸3年は勉強から離れていたため、特に数学はきれいさっぱり忘れていた。その年の終わりにセンター試験を受験したが、到底点数が足りず、浪人を決めた。

大学卒業後からはもう勉強するしかなかった。音楽家を目指す「マラソン」から離脱してしまっているから、退くことはできない。まさに「背水の陣」の覚悟をもって、勉強に取り組んだ。

覚悟が功を奏して、その年に医学部に合格することができた。1問も解けなかったところから、合格まで到達できたことは、大きな自信につながった。音楽と医学の両方を活かした活動がしたい、これが今の目標だ。

再受験は、自分のやりたいことを実現させるための大きな一歩になるはずだ。今まさに再受験に挑もうとしている方、大きな決断をして何かに挑戦しようとしている方を心の底から応援したい。

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3.11